万人子守地蔵尊
二本松市(旧岩代町)

 むかし、むかし、川岸で子どもたちが、お地蔵さまをおぶって遊んでいたんだど。そのうちに雨が降ってきたので、子どもたちはお地蔵様を置きっぱなしにして帰ってしまったんだと。雨はどんどん降り続け川の中がいっぱいになり、お地蔵様は流されてしまい、何日も石にぶつかりながら荒浜っつうとこまで流されていったんだど。お地蔵様は、「小浜に帰っちな」と思ったんだけど荒浜の町の人たちは誰もお地蔵様に気がつかねんだど。それから荒浜に悪い病気がはやりだし、どうにも困った荒浜の人が、祈とう師におがんでもらったんだと。そうしたら、祈とう師のいうことには、
「荒浜に地蔵様が流れついていて、その地蔵様が小浜っつうとこに帰りたがってんだど。」それを聞いた荒浜の人達は、みんなして地蔵様を捜して小浜まで届けてくれたんだと。

 その後、荒浜では思い病気がなくなり、小浜では地蔵様が帰ってきたので、うんと喜んで大切に人切にしたんだと。

 

※小浜宇反町地内、県道本宮・岩代線の西側にあり、発祥の時代は分からないが伊達輝宗が、その子政宗の成長を祈願して祀ったともいわれ、また、江戸末期ともいわれている。

 地蔵尊は、子どもの守り本尊として子地蔵を、一年間貸し与える風習が古くからあり、年に一度親地蔵のもとに帰り、月三、四、五日の例祭に祈とうをうける。

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