それっきりこの石は、鈴石といわれるような、あの美しい音色を出さなくなりました。村人のなかには、若者の乱暴をいましめながらも、「実は、おらも中がどうなってんのか一度見てみたかったんだ。」と言う人もいました。二度と美しい音色を出さなくなった鈴石ですが、その音色を聞いたという人は、現在生存していませんし、音を出していたという語り伝えしか残っていません。
いつの日か、再び美しい鈴のような音色を出す日が、くるかもしれません。この鈴石村が、昔のようなのんびりとした鈴石村にもどったならば、この鈴石も昔を思い出して下の道を歩く村人に美しい音色を聞くかせてくれるかもしれません。
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