豆まきの風習はその地城で違う。あだち野の里でもいろいろあるが、こんな風習が中心となって今も続いていることだろう。
タ食後に豆がらを焚いて鍋で豆を炒る。炒った豆は枡に入れて神棚に供える。生鰯の頭を豆がらに刺し、唾をかけながらあぶる。鰯の頭と柊の技を入り口に飾りつける。(嫌な臭いと棘で鬼は入ってこれないという。)
よその家がだいぶまいた頃に、自宅に入った鬼を追い払うために豆をまき始める。神棚に向かって「天照皇太神宮様に上げます。」次に台所に向かっては「お竈様に上げます。」とまく。その後は部屋毎に「福は内、おにー外」とまいていく。外にもまきながら戸を閉める。「おにー外」より「福は内」を多くまく。
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まき残った豆は、厄年の人がおればその年の数の豆を近くの十字路に捨てに行き、振り返らずに戻る。(厄を捨ててくる。)
なお、残った豆は茶封筒などに入れてしまっておき、春の雷神様の祭礼で拝んで貰い、夏、「大きな雷の時に食べれば恐くない。」と言って取っておく風習があった。(雷は鬼の仕業と、ついこの頃まで子ども達に話していた。)
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